日本の国民食、カレー。
年中食べられる料理だが、やっぱり辛さとスパイスが効いた味わいは、
暑さを吹き飛ばしたい夏に!
猛暑が続くこの頃、カレーのこと、スパイスのこと、その魅力を知って、
夏のガストロノミを楽しむカレー料理を作ってみよう!
目次
カレーとは
カレーとは、多種類の香辛料を併用して食材に味付けするというインド料理の特徴的な
調理方法の英語名。
実は、インドには「カレー」という料理は存在せず、インド料理の多くは、油でスパイスを
炒め、素材を加えて煮るという調理方法で、加える水の量次第で汁ものにも炒め煮にもなる。
私たちがインドカレーと言っているもの、「スパイシーな煮物」がカレーの適宜だとしたら、
インド料理の大半がカレーということになります。
又、中国料理と並んで数千年の歴史があるこのインド料理。
多種類使われるスパイスが、医食同源、食事自体が病気を予防したり治すものとして
大切に考えられている。
日本のカレー
現在、私たちがカレーと呼んでいる物は3つに分けることができる。
明治初期にイギリスから伝えられたカレー粉をきっかに考えられた「欧風カレー」。
昭和2年中村屋で売り出された日本ではじめての「純インド式カレー」。
その後90年代のエスニックブームで人気となったタイ、インドネシアをはじめとした
「東南アジアのカレー」。
この流れを踏まえ日本には独自なオリジナルのカレー、野菜カレー、トマトカレー、
キーマカレー、ポークカレー、かつカレー、ドライカレー、和風カレー・・・
と生まれ、カレーはすっかり日本の食卓に定着している。
イギリスから伝えられた??欧風カレーとは?
遣欧使節としてフランスに渡った三宅秀が船中でカレーを見たのが、
日本人とカレー の最初の記録、イギリス植民地だったインドの料理法が
フランス料理特有のソースを導入した料理。
その後、イギリスからカレー粉(C&B社)の上陸によって、日本で開発されたのが、
欧風カレー。玉ねぎをゆっくり炒め、小麦粉でとろみをつけた欧州カレーとは
日本独自のカレーなんです。
純インド式カレーとは
油でスパイスを炒め素材を加えて煮る料理。インドには「カレー」という料理は存在せず、
加える水の量で汁ものにも炒めものにもなるのが特徴。
東南アジアのカレーとは
具材をスパイスと煮てさらさらの汁ごとご飯にかけて食べられている料理、
タイのゲーン、インドネシアのグレイ、ミャンマーのシービャンなどをカレーと呼んでおり、
実際にはカレーという料理はないのが、これらのスパイス使いは日本でも受け入れやすく、
90年代のエスニックブームでは、トレンド料理として食され、
日本の新しいカレー文化になった。
スパイスを生かす調理で知っておきたいこと
スパイスの香りの元は?
生または乾燥させた植物のどこかの部位から香り、着色するをスパイス。
どんな植物でもその効果がある訳ではなく、植物に含まれる精油成分(揮発油)が、
香りの元。どのような成分をどのような割合で持つかによって決まる。
例えば、シナモンなら樹皮を、クローブならば開花前のつぼみ、サフランは雄しべ
など。また、精油成分を持たなくても、呈味・辛味付けや着色効果があるものも
スパイス類に含まれている。
スパイスの有効成分を楽しむ3つの方法
オイル
アルコール
ビネガー
スパイスを生かす調理のコツ
下ごしらえ
肉や魚の臭み消し、味や香りづけ効果があるスパイス。事前にまぶしたり、他の調味料と一緒にマリネしたり使います。
調理のはじめに
スパイスの精油成分は油に溶けやすく、揮発性。調理のはじめに油に加え加熱すると
強い香りが引出されます。この時は、ホールスパイスと使います。
調理中に
味や香り効果は調理中に。ホールのものより強く感じられるパウダー状の物がお勧め。
深い風味のある料理ができます。
仕上げに
揮発しやすいスパイス、長時間加熱した後は味や香りがとんでしまうことも、
仕上げの最後にスパイスを加えるのも効果的、加えてから10分くらい加熱すると
香りが引出されてます。
フランスで出会ったカレー料理
辛いものが苦手なフランスでは、カレーとは辛さというより、料理の風味付けの為の
スパイスとしての役割。
魚介のクリームソースに少量のカレー粉を加えた料理は、魚介の甘みをを引き立て
とてもエレガント。
料理学校では、フォワグラ料理のレンズ豆のソースにパラリとカレー粉が、
エキゾチックな味わいのレンズ豆ソースにまったりとしたフォワグラとの対比味が
おいしくて。なかなか実現できない料理だが、レンズ豆のカレー風味は、
その後マイレシピに活用。
定番ソースとして、Sauce au curry があるが、鶏料理、米料理に合わせられ、
辛味はないけど、日本のカレーの食べ方に似たところがある。
また郷土料理としては、フランスジュラ地方のPoulet au curry
個性的な地元のワインVin Jauneで煮込み、きのこ類がたっぷり入ったこの料理は、
カレー風味が煮汁ソースの味を深めた、フランスの田舎らしい料理。
同じこの地方で、ショコラティエのエドワール・イルサンジュさんが、
Vin Jauneにあうチョコレートとしてカレー風味のガナシェと胡桃の組み合わせを
紹介してます。ラ・ヴィ・ドゥ・ショコラの会員様の中でも人気のボンボンショコラ。
また、フランス料理は、植民地だったモロッコやアフリカ料理の影響もあり、
地中海沿岸に見かける料理は、カレー粉に含まれているスパイス、
クミン、コリアンダー、シナモンがよく使われていて、南仏ロゼワインとの相性がいい。
暑い日本の夏でもワインを楽しむにはお勧めな組み合わせ。
そんな経験をヒントに生まれたレシピは、こちら
夏にご紹介する「はじめてのフランス料理」の定番レシピ、
鶏のプラム煮込み シナモン風味
オレンジの皮、ターメリック、シナモン、カイエンペッパー風味がソースとなった
鶏のプラム煮込みには、ターメリックライスを添えてます。
まだであっていないが、フランスでも
Riz au cari 、Riz au curryと名付けた、日本のカレーに近い料理があるとか。
また19世紀、薬剤師であったゴス氏は「カリ・ゴス」(Kari Gosse)と名付けた
混合カレー調味料を開発し、今でも南仏では活用しているとか。
南仏カマルグ地方にはお米が作れらているし、このあたり、日本の食卓のヒントが何かありそうな。
スパイスとワイン、カレーとワイン
辛味のある料理とワインとの相性は、一般に難しいと言われているけど、
料理の味わいを深めるスパイス使いなら、ワインにもスパイシーさがある
フランス、アルザス地方のゲヴェルツトラミネール、
ワインにもコリアンダーのような香りがある、ヴィオニエ種のワインがお勧め。
またワイン以外ビールなら、オレンジピールやコリアンダーが香るホワイトビールとのマリアージュも。
もちろん、郷土料理となれば、地元のワインとの相性は抜群で、
フランスジュラ地方のPoulet au curryにはVin Jaune、
モロッコやアフリカ、地中海の文化が香る料理には、プロヴァンスロゼがお勧め。
フランスの料理学校で習ったフォワグラのレンズ豆ソースカレー風味には、
ゲヴェルツトラミネールかな。
日本の欧州カレー、魚介を多くしてプロヴァンスのワイン、
クリーミーに鶏バターにしたらコクのあるブルゴーニュ白(?)、
牛すじカレーなら赤を足して煮て、ローヌとか、どう?
ちょっとやってみなくちゃ。
インスタライブでやってみよっか。私のアドレスは【こちら】
インスタライブ用フレンチカレーレシピは、ブログにアップいたします!待っててね。