日本でもお馴染みの家庭料理ポトフ。
本場フランスにとってはおふくろの味だが、日本で知られているポトフとは
材料、作り方が違う。
今日は本場フランスで知られ楽しまれているポトフとそのアレンジ楽しみ方を知って、
フランス家庭料理の基礎に触れましょう。
目次
ポトフとは
フランスおふくろの味、ポトフ。フランス語でpot=鍋 fue=火のことで、
鍋が火にかかっているという意味の煮込み料理。
日本で親しまれているポトフの具材に決まりはないが、
一般にフランスでポトフといえば牛肉で作るのが基本。
日本に比べてフランスで牛肉は日常的な食材、調理方法も煮るより焼く方が
格が上とみなされている為、牛肉で煮込むポトフはフランスにとって庶民的な
おふくろ家庭の味で、誰もから親しまれている料理です。
ちなみに鶏肉で煮込めばpoule=雌鶏 pot=鍋 プロポ、
豚肉で煮込めばporc=豚 ポー・ド・ポ とかポテ。
どれも肉をおいしく食べるフランス家庭料理で、基本さえマスターすれば、
日常にワインにあう料理が楽しめます。
フランス家庭のポトフ ポトフの食べ方楽しみ方
ところでフランスからやってきたこのポトフ。
日本の家庭では洋風おでんのイメージだが、本来のポトフの楽しみかた味わいかたとなると
基本的なところが違ってくる。
おでんといえば煮汁にしみた具を食べて、残った汁は料理として使われることはないが、
ポトフの楽しみ方は一つの鍋料理の中にスープ、メイン、つけ合わせ(温野菜料理)が
一緒にでき、それぞれを皿に盛って食べる食べ方が違う。
またその具材、煮汁でいろんな料理が作られているのもフランスらしい家庭料理の
楽しみ方。
定番メニューとしては、
お肉のグラタン、マッシュポテトと合わせたアッシェパルマンティエ、ミロトンが代表的。
他にストックを使ってリゾットにしたり、フレンチドレッシングと和えてサラダにしても
おいしい。
こちらは冬の煮込み料理のイメージのポトフを
夏向けにアレンジした例。
ビーフストックとトマトの組み合わせは絶品で、冷たくしてもおいしいです。
他に、牛肉ポトフの煮汁でオニオングラタンスープを作るのが私は好きで、
黄金色になるまで炒めた玉ねぎとポトフから出来たビーフストックが合わさった味わいは、。
是非、お試しを。
三ツ星レストランで食べたポトフって!
フランスにとっては庶民的な家庭料理、ポトフ。だが、
フランス滞在中に出会いました!
シャンゼリゼにある三ツ星レストラン「レドワイアン」でのポトフ。
仔羊、仔牛、鴨などの高級食材が時間をかけて煮込まれ、とろけるよう柔らかく、
深い味わいのストックは別にスープとして。数種の薬味が添えられ。
いろんな味わいで食べましたよ。
家庭のおふくろの味としても、三ツ星レストランでの味サービスの中でも、
ポトフの魅力は変わらず、鍋一つの中で生まれる滋味は本当においしく、
微笑んでしまう笑顔があり、また体をほっとさせるリラックス効果もありますね。
何より家庭の中でのテーブルを囲む皆が同じ料理を分かつ喜びは、
おもてなしのヒントにもしたいもの。
ポトフのコツ 煮込み料理のコツ
ところで、家庭のポトフもレストラン料理のポトフも煮込みのコツは同じ。
肉は室温に戻して、
鍋ににんじんの皮やセロリの葉、クローブや胡椒などのスパイスと塩を入れて水を注ぎ、
肉の旨味全てが煮汁に逃げないよう沸騰してから肉を入れます。
そして、ストックが澄んでいなくてはいけないので、
フランスでは「微笑むように煮込む」feu souriresと言うよう
ゆっくり表面が静かに揺らぐくらいの火加減で。
私はごく弱火にして蓋をずらします。
すね肉なら3時間くらい、肉が柔らかくなったら食べるための野菜を
煮えにくいものから順に、にんじん、セロリと。
かぶやじゃがいもは柔らかくなるのが早いので最後に。
じゃがいもは煮崩れるとせっかくのストックが濁ってしまいます。
また肉からできるストックには脂分があるので、保温作用も高く余熱効果も考え、
火を通すといいですね。