フレンチ惣菜、パテ、リエット、テリーヌ、
今日はこれらの原材料でもある豚肉と美食、フランスシャルキュトリーとフレンチスタイルの食卓に触れて、
家庭で作れるはじめてのフランス料理 現代風リエットの作り方と食べ方、楽しみ方をご紹介いたします。
目次
パテ、リエット、テリーヌとは
生徒さんからよくいただくご質問でもあるパテ、リエット、テリーヌの違い。
どれもフランスビストロメニューに出てくる料理、日本でも馴染みになった料理名だが、
レストランでパンに塗るペーストかなと思って注文したら、パイ包みだったり、
ゼリー寄せかなと思ったら、肉料理だったり??と困ったことはない?
まずは少し、パテ、リエット、テリーヌの違いを少し触れてみましょう。
パテ:パテの語源はpâte(パート)パイ生地という意味。
ミンチにした肉や魚、野菜をパイ生地で包みオーブンで焼いたもの。
フランスに行くとお惣菜として売られているものです。
パイ包みのコツさえ覚えれば家庭でも簡単に作れワインにぴったり、
何よりも見た目の華やかさが魅力です。冷めてもおいしいので、事前準備しておけば即ご馳走!
おもてなし、ホームパーティにおすすめな料理、レッスンでも人気です。
リエット:フランス語のリエ(つなぐ=lier)と(豚肉の塊=rillette)から派生したリエット=rilettes。
豚、鴨、兎や魚介、よく瓶詰めにされて保存食として売られているペースト状で、
パンやトーストなどに塗って食べられるフランス料理。
一般的な作り方は、豚をはじめ鴨、兎などの肉を脂肪の中でほぐれるまでゆっくりと
「煮て」つぶし、脂肪分がペースト状になるまで冷やします。
瓶詰めの際、出てきた脂肪で覆い保存効果を高めるのが伝統的な作り方。
冷蔵庫がある現代、私はこの脂肪の変わりに生クリームを混ぜて滑らかな味わいに、
香りのいいグリーンペッパー とみじん切りにしたコルニッションを混ぜるのが好きです。
煮る時間はかかるけど、シンプルな作り方で誰もが失敗なく作れるフランス保存食。
いつでも作っておいておける手軽なワインつまみをはじめ、
家庭料理のアイテムにお勧めです。
テリーヌ:元々はフランス料理に使う「陶器で作られた深い器」
いわゆるテリーヌ型からきている。
この型に肉、魚、野菜などを細かくしたものやムース状にしたものを詰め、
蓋をして調理したものがテリーヌ。
型からはずしカットした断面がきれいなので、華やかなレストラン料理の前菜メニューでも
よく見かけられる。型に詰める具材のアレンジは無限大、レストランではシェフならではの
味わいが楽しめますね。
コツさえ覚えれば家庭でも、小さな器に詰めてプレゼントにしてもお洒落です。
料理好きな方には是非ともチャレンジしてもらいたい料理です。
豚は美食の王様フランス保存食シャルキュトリー
ところで、パテ、リエット、テリーヌ、
これらの中でも豚肉をはじめとした食肉加工されたものは、シャルキュトリーcharcuterie
chai(肉)➕cuite(火をいれる)と呼ばれ、フランスの永い美食の伝統を受け継いでいる食品。
フランス国内で消費量の豚肉のうち、3/4はシャルキュトリー製品として
食卓に取り入れられているそうです。種類としては、リエット、パテの他、
加熱ハム、生ハム、ドライソーセージ、アンドゥイユ、ブーダンなど。
そもそも豚肉がヨーロッパの農産物加工業においてこのように特別な位置を
締めていた理由に飼育が容易で多産性である点、なによりも「鼻から尻尾まで豚は美味しい」
と諺にもある通り、豚の全部が食べられるシャルキュトリーと称される美食における
特別な分野は、このような豊さから誕生したと言われる。
私のパリ生活の中でもシャルキュトリーは思い出深く、ホームステイ先のお父さんが作ってくれた
ブーダンノワールのりんごのピュレ添えは、今でも忘れられないフランス家庭の味。
現代でも古代から伝統的製法に着想を得た様々な方法によって多くにシャルキュトリーが
フランスの食卓を賑わせています。
手軽でおいしい フランス流生活スタイルを実現!
この美食における特別な分野であるシャルキュトリー、フランスではこれらの食品を販売する専門店も
シャルキュトリーcharcutirieと言い、食肉加工技術を持つ職人をシャルキュティエcharcutier1
と呼びます。又料理人がメニューの一つとしてシャルキュトリーを作ることもあります。
その歴史はギリシャ時代までさかのぼり、
肉の保存性を高める手段として、塩漬けや乾燥、燻製などが発展したもの。
おいしさの魅力に加え、栄養面でも良質なたんぱく質が豊富で、消化を助ける必須アミノ酸を含み、
鉄分、ビタミンB1、B6、B12、PPといった栄養素が多いのが特長。
そのまま食べることができる上、簡単にメニューにも取り入れやすく、
バゲットに挟んだサンドイッチ・ジャンボン
ハムとバターをパスタ(貝殻型)に絡めて食べるコキエット・オ・ジャンボン
田舎風と名付けられるスープの具材にすれば、シャルキュトリーの旨味がいいだしに、
生野菜もちろん、メロンやいちじくなど果物と合わせる食べ方は日常。
又、郷土料理としては、アルザス地方では発酵したキャベツと一緒に煮るシュークルート、
パセリたっぷりのゼリー液で固めたジャンボン・ペルシエはブルゴーニュ地方の
白いんげん豆と一緒に煮込むフランス南西地方のカスレと
フランス各地方にシャルキュトリーを使った料理が存在。
フランスにとっては、生活に定着している食品です。
おいしくて体にもいい美食を日常に楽しむ フランス流生活スタイル。参考にしたいですね。
自家製シャルキュトリーのおすすめ 現代風リエットの作り方、食べ方
5月のレッスン はじめてのフランス料理では、フランスでは日常に親しまれているシャルキュトリー、
リエットの作り方、食べ方のご紹介でした。
出来上がったリエットは冷蔵庫で1ヶ月は保存可能。
バゲットやトーストにのせるのもちろん、
他アレンジは、果物や野菜と組み合わせたおつまみ、サラダ、サンドイッチ、パスタ等など自由自在。
私はおにぎりの具にするのも好きですよ。
こちらはセロリクラッカーにのせて、(クラッカーもレッスンでやります!)
豚の脂で煮て脂を混ぜ込むリエット、生クリームにしてまろやかさを持たせて現代風にしたレシピは人気。
家庭でおいしく作りやすいフランス料理のコツが学べる「はじめてのフランス料理」
日々の生活に幸せを感じる価値 フランス流生活スタイルArt de Vivre を楽しみましょう。