誰もが知っていて皆が大好きなおやつ「プリン」。
はじめて日本に入ってきたころは「ポッディング」=プディングと呼ばれ、
小麦粉、卵、牛乳を混ぜて、肉や果物を加え蒸したイギリス料理のプディングを指す。
材料が、卵、砂糖、牛乳で作られる日本の「プリン」は、
フランスのCrème renverse クレーム・ランヴェルセ
(renverse=ひっくり返った クリームがひっくり返ったという意味。)
又は、Crème Caramelクレームキャラメル にあたる。
他にフランスにはたくさんのプリンが存在して、卵、乳製品の配合で固さが異なり
それに伴い、型も違ってくる。
今月のレッスンでは、フランス南西地方に見かけるアカシア風味のクレームブリュレ。
プリンが卵、砂糖、牛乳を材料とするのに対し、クレームブリュレとなると
卵黄、砂糖、生クリーム、牛乳(好みによる)で、柔らかく型から抜けず、
卵液を流した型のまま出す。
生クリームもたっぷり入るこのタイプはコクがあって濃厚。
薄く流し入れ、表面をブリュレ=焼くのが特徴です。
アカシア風味のクレームブリュレは、砂糖の代わりにアカシアのはちみつ、
擦ったレモンの皮を入れて、さわやかな香りが特徴で、
この風味が生徒さんからも人気で、食後のデザートにおすすめです。
表面を焼くのは、専用のバーナーがなくても、熱したスプーンを使ってできますよ。
プリンに砂糖をふりかけしばらくおいて溶けかけたころ焼くのがポイント。
焼けたキャラメルはパリパリでおいしいです。
ちなみに、卵黄と牛乳で作るタイプは、プティ・ポ。プティpetit= 小さい ポ Pot=器
クレームブリュレより軽く、デミタスカップのような器に流し入れます。
他、小麦粉が入ればFlan フラン。
お米が入れば、Riz au Lait リオレ=ライスプディング。
残ったパンにプリン液を浸せばPain Perdu パンペルデュ(失われたパン)=フレンチトースト。
卵、砂糖、牛乳、いつもある材料で、フランスのプリン、
味わいいろいろ楽しめますね。
*アカシアのはちみつ
アカシアの花から採れるはちみつ。
天然のはちみつは独自の個性があるが、アカシアはすっきりした上品な味わい。
アカシアのやさいい香りが特徴。
フルーツ、ヨーグルト、白カビチーズによくあい、フランス産のものは甘味が深い。
一般にはちみつは、寒くなると固まりやすいが、アカシアは果糖が多い為、固まりにくい。
*フレンチトースト
フランスとは関係なく、アメリカからきた料理名。
18世紀、アメリカに実在した酒屋の店主「ジョーゼフ・フレンチ」さんが命名した。とか
もともと「ジャーマントースト」と呼ばれていたメニューが、
第一次世界大戦でドイツが敵対だったため「ジャーマン」を「フレンチ」に変えたとか。
フランスでは、Pain perdu パンペルデュとかpain doré パンドレと呼ばれている。